1960年代から宇部市、神戸市での彫刻のあるまちづくりや箱根彫刻の森美術館の開館などがつづき、野外彫刻の設置に対する関心が高まりました。その手法は、当初のコンクールを通じて受賞作を設置するものから、1980年代以降は土地の特性に応じた新作を制作するサイト・スペシフィックな作品を設置するものへと展開してきました。このように、箱根での経験をもとに、後に札幌、霧島などの第2期の野外美術館の誕生につながりました。
札幌市の郊外に位置する札幌芸術の森。野外美術館はその中の7.5ヘクタールを占め、74点の作品が自然あふれる森のなかに点在している。それぞれのアーティストが実際にこの場所を訪れて作品の構想を練って、新作を制作・設置している。四季折々の変化や、多様な動植物とともにアートを楽しめる贅沢な空間である。
なかでも第3期は公園の最も奥にある空間全体をダニ・カラヴァンに一任し、300mに及ぶ大規模な作品が実現した。ひとびとはそれぞれ異なる8つの要素を体験しながら、森の奥へと誘われる。緑の中でホワイトコンクリートの作品が美しく調和している。また真っ白な雪のなかでもそれぞれのフォルムが楽しめる。作品全体が豊かな創造をはぐくむ森のようである。
プロジェクト名 | 札幌芸術の森(第3期)計画、監理|隠された庭への道 |
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アーティスト | ダニ・カラヴァン |
素材 | 光、風、水、氷、サウンド、草、木、ホワイトコンクリート、ガラス、真鍮、コルテン鋼、金箔 |
サイズ | 300mのトレイルに7つの要素 |
主要用途 | 彫刻、インスタレーションの野外設置 |
制作年 | 1992-99年 |
所在地 | 札幌芸術の森 |
建築名称 | 札幌芸術の森野外美術館 |
クライアント | 札幌市 |
建築設計 | ダニ・カラヴァン |
建築施工 | 鹿島建設 |
アート・ディレクション | (第3期)計画、監理 清水裕子(SDC在籍時) |
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